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                            辛抱の走りでポイントリーダーを堅持 Rd.3「BURIRAM SUPER GT RACE

                            ©Takashi Ogasawara
                             

                            2015 SUPER GT 第3戦 「BURIRAM SUPER GT RACE」CHANG INTERNATIONAL CIRCUIT

                            決勝:6月21日(日)コースコンディション:Dry

                             

                            SUPER GT第3戦はシリーズ唯一となる海外戦として、タイ国ブリーラムにあるチャンインターナショナルサーキットで6月20日から21日の二日間に亘り開催された。


                            本大会、最も重い50kgのハンディキャップウエイトを搭載している37号車KeePer TOM'S RC Fのアンドレア・カルダレッリ選手と平川亮選手は粘りの走りを見せて6位入賞を果たし、5ポイントを加えて計30ポイントとしてシリーズランキングトップの座を堅持した。

                             

                            《6/20 予選》

                             

                            気温36℃、路面温度62℃という猛暑の中、現地時間15時20分(日本時間17時20分)より第3戦GT500クラスの予選が始まった。スーパーGTの予選方式は、ノックアウト方式が採用されている。GT500クラスは15分間行われるQ1のタイムトライアルで上位8台がQ2に進出できるという過酷なものである。Q1で9位以降のマシンは、Q1の順序でスターティンググリッド位置が決まり、ポールポジションから8位までのスターティンググリッドは12分間で執り行われるQ2のタイムトライアルで決まるという方式である。


                            まずQ1は平川亮選手が乗り込む。37号車KeePer TOM'S RC Fは第1戦・第2戦の成績により、本大会最大重量50kgのハンディキャップウエイトを搭載しての予選であり、苦戦が強いられる。
                            ハンディキャップウエイトを積むことは重量的に不利となってスピードが上がらないばかりではなく、ブレーキへの負荷も増す。GT500クラスのマシンはカーボンブレーキを使用しているため、ブレーキパッドとローターが擦れることによって生じる摩擦熱があまり高温になり過ぎると、ブレーキの適正制動ができなくなるというリスクが生じる。また、重量増はタイヤへの負荷も高まり、磨耗を速めることにもつながる。ハンディキャップウエイトはあらゆる面で負荷となる。


                            そして、考慮しなければならないこととして、決勝レースにおいて雨が降ってウエット宣言が出されない限り、Q1もしくはQ2で使用した、いずれかのタイヤで決勝レースをスタートしなければならないという規則のため、予選だけを考慮するのではなく決勝レースを見据えたタイヤ選択が重要となる。


                            そのため、LEXUS TEAM KeePer TOM'Sとしては、予選走行距離はできるだけ少なめに走り、最大の効果を生む作戦を立てる。そのため、予選が開始されてもなかなかコースインせず、ピットで待機しながらチャンスを待つ。
                            タイヤの特性からしてピットアウトして3周目と4周目にアタックすれば効率的な予選が展開できる。そのためには約7分を要する。


                            残り予選時間7分となったところでKeePer TOM'S RC F 37号車はピットを出る。猛暑のタイとはいえ、タイヤは十分に温めないとタイムは出ない。平川選手はタイヤを労わりつつ温めも十分行った計測2周目、1'25.747をマークしてトップに躍り出る。計測3周目も引き続きアタックを試みるが1'25.766と2周目を上回ることができない。これ以上タイヤは酷使する必要がないと判断したピットサイドから平川選手に「BOX ! BOX !」という無線が飛ぶ。「BOX」とは、「ピットに戻ってこい」という呼びかけである。なおもアタックしている他車の動向は気になるが、Q1通過はほぼ確定した。最終的にはQ1を4番手で通過した。本大会最大重量のハンディキャップはあるものの、健闘したと言って良い。


                            現地時間16時05分(日本時間18時05分)よりQ2が開始される。ドライバーはアンドレア・カルダレッリ選手がマシンに乗り込んでいる。Q1同様、タイヤを労わる作戦の最大効率化を採る。残り7分となったところでコースイン。タイヤを十分温めた計測3周目に1'26.215をマークするもののタイムは伸びず、予選6番手となる。スターティンググリッド3列目となるが、十分ポイントを狙える位置につけた。

                             

                            《6/21 決勝》

                             

                            現地時間の15時(日本時間17時)にフォーメーションラップが開始される。スタートドライバーはアンドレア・カルダレッリ選手。気温37℃、路面温度50℃でのスタートである。雨季というのに湿度も低く、天候は晴れ渡っている。午後の陽射しは容赦なく路面を照らしつけ、ますます路面温度を上げていく気配である。このような状況はタイヤへの負担ばかりではなく、分厚いレーシングスーツを着用したドライバーの負担もひどい状況である。


                            約3分のフォーメーションラップを終えた各マシンは66周のレースへとスタートを切る。KeePer TOM'S RC F37号車は無難なスタートを切り、ポジションを維持したまま1コーナーを維持する。ハンディキャップウエイトは思いの外効いている。トップとの差は開きつつあるが、ポジションはきっちり守った走りをしている。5周目、他車が単独でスピンを喫したために5番手に浮上。それでもトップとの差は開きつつある。7周目、17号車に交わされ元の位置である6番手に後退。ポジションをキープしたまま走行を続けるものの、13周目から後続の1号車と接近。1号車とのバトルが20周も続くがポジションは譲ることなくキープしている。レースも中盤となる32周を過ぎたあたりから各車、ルーティンのピットインが始まる。

                             

                            レースの中間点である33周目、KeePer TOM'S RC Fもピットイン。ドライバーは平川亮選手に代わり、タイヤを4本交換し、給油を済ませると再びコースに戻る。完璧とは言えないまでも、そつのないピット作業であるが、コースに戻った時点で10番手まで後退する。35周目には9番手、37周目には8番手まで順位を挽回。この時、気温は35℃と少し下がったものの路面温度は58℃と、タイヤにもドライバーにも厳しい状態は続いている。43周目、他車のトラブルで7位に浮上。

                            レースも終盤に差し掛かった53周目には前を走る4台が視野に入るまで追い上げ、3位争いを5台で繰り広げるまでにKeePer TOM'S RC F37号車は接近する。58周目、チームメイトである36号車を捕らえて6番手に浮上。その勢いで前車を追うも適わず、スタート時のポジションである6位でチェッカーを受けた。


                            シリーズポイントを30と伸ばし、ランキングトップを維持したものの第4戦富士大会では50kg相当の燃料流量規制のほかに、10kgのハンディキャップを負わされることになる。厳しい戦いを強いられるが、ランキングトップとしての証であり、誇りを持って挑みたい

                             

                              アンドレア・カルダレッリ

                              「率直に言って良いレース展開でポイントを獲得出来た。3位を目標にしていたけれど、ペースはコンマ数秒遅かった。追走していた6号車が2位でフィニッシュしたので表彰台のチャンスはあったけれど、ピットストップで10秒ほどタイムロスしてしまったのは悔しい。依然としてポイントランキングトップを維持しているけれど今後のレースは燃料リストリクターを装着されて厳しい闘いが続くことになる。」
                             
                              平川亮
                              「マシンは最高でした。トップグループと同じ速さで走ることは出来たけれど、追い抜きが難しく、そしてリスクを冒すことはしたくなかった。50kgのウエイトを積んで暑いコンディション下でも速さを示し、しっかりと走ることが出来た。これからのレースにおいてもこの調子を維持して出来るだけ多くのポイントを獲得したい。」

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