新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、7月に行われた開幕戦から4大会を無観客にてレースを行っていた2020年スーパーGT選手権であったが、今大会から人数制限はあるものの今シーズン始めて観客を入れての開催となった。
関係者の移動距離を少なくするという観点から、静岡県にある富士スピードウエイで4大会、
残り4戦を三重県にある鈴鹿サーキットと栃木県のツインリンクもてぎで各2大会行うという変則なスケジュールとなり、
残り4大会の内第5戦が富士スピードウエイ、第6戦を鈴鹿サーキット、第7戦をツインリンクもてぎ、
そして最終戦はまたここ富士スピードウエイへと戻ってくるスケジュールとなっている。
15台中3番目に重いハンディを課せられて挑んだ今大会であったが、
予選前のフリー走行からエンジンに若干の不具合を抱え全力でのパフォーマンスが出せない状況になり、
それでなくとも厳しいハンディのなかでさらに厳しい状況で予選に挑まざるおえなくなってしまった。
苦しい状況下でも最大のパフォーマンスを発揮するべく、ニック・キャシディが予選Q1へ挑んだ。
ゆっくりとタイヤに熱を入れてから渾身のタイムアタックであったが、
僅か0.4秒届かず予選11位となりQ2進出はかなわなかった。
但し、エンジンに不具合を抱え多くのハンディを課せられている状況下では最大限の力を発揮できた結果である。
気温21℃、路面温度29℃とこの時期にしてはやや涼しいコンディションの中迎えた決勝当日、
エンジンをいたわりながらも全力でレース挑むKeePer37号車。
スタートドライバーはスタート直後に抜群の速さを持つニック・キャシディが担当、
フォーメーションラップののちレーススタート、ところがスター直後の1コーナーでアクシデントが発生し
直後にセイフティーカー(以後SC)が導入されたが、その混乱を避けながらも猛然とプッシュしたニック・キャシディは
なんと4ポジションアップの7位までジャンプアップを果たす。
5周目にSCがピットに入りレース再開となったリスタート後、
ハンディの軽いマシンにかわされ8位に順位を落とすが諦めず前のマシンに食らいつく。
20周目には前方の混乱に乗じ一気に2台を抜きドライブスルーペナルティーのマシンもあり5位まで順位を上げる、
25周周回辺りから徐々にピットインするマシンが出始める。
GT300クラスのとの混乱を避け他のマシンより少し遅い28周目にピットイン、
給油とタイヤ交換を完璧にこなしエースの平川亮へステアリングを託す。
すべてのマシンがピットインを終えた時点で、抜群のタイミングと完璧なピットワークで2位まで順位をアップしたKeePer37号車は、
さらにトップの39号車に襲い掛かる。
39周時点ではトップのマシン後方2秒迄追い詰めたが、なんとここで恐れていたエンジンの不具合が顕著になり
ペースダウンを余儀なくされてしまう。
徐々に後方からのマシンに追い詰められ順位を5位まで落とすが、最後の最後にペースを上げ4位で
チェッカーフラッグ、ハンディを抱えながらも大健闘の結果、
貴重な8ポイントを獲得し、シリーズトップと1ポイント差の2位でレースを終えた。
次戦は、10月25日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで第6戦が開催されます。