新型コロナウイルス感染症の影響から4月に予定していた開幕戦から3カ月遅れで、
待ちに待った2020年スーパーGTレースが、開催サーキットを静岡県の富士スピードウェイに変更して開幕した。
感染拡大防止の観点から無観客での開催、スケジュールも通常土曜日に行われている予選を
日曜日の午前中に行い、午後に決勝レースを行う変則的なスケジュールにて行わることになった。
毎年開幕戦の前に行われている合同テストも3月に岡山国際サーキットでは行われたが、
サーキットの特性、気温、路面温度とも全く違い開幕戦のデータとして使えず、
2週間前にここ富士スピードウェイにておこなわれた公式合同テストも、
気温も低く雨の影響もあり事前に使えるデータとしては殆ど無い状況で開幕戦を迎えることになった。
予選前の最後のチャンスであった土曜日の練習走行も濃い霧の影響で開始が遅れ夕方5時過ぎから何とか始まったが、
ドライタイヤでは走れたもの路面はセミウエット、路面温度も低い中で行われた。
このような状況で迎えた日曜日、予報では午前中は雨、午後からは雨は上がる予報であったのだが大きく外れ、
朝の内はまだ路面がぬれているところがあったものの、GT300クラスの予選が終わる頃には
すっかりドライコンディションになり、日差しも出て気温も上昇、気温25度、路面温度は35度迄上がった。
岡山と富士の合同テストではNSXが速さを見せ上位を占めていたが、その優位性はレースウイークになっても変わらず、
昨日行われた最後の練習走行でもその優位性は変わらず、予選は苦戦を強いられると誰もが予想して臨んだ。
予選Q1をニック・キャシディーが4番手でQ2進出を果たすが、Q1トップのNSXには0.5秒以上の差があった。
平川亮にステアリングを託し迎えた予選Q2、10分間で行われる予選Q2、チームメイトの36号車は開始早々コースイン、
KeePer TOM’S 37号車は少し時間をおいてコースイン、周回数は36号車よりも1ラップ少ないアタックとなる。
各マシンゆっくりとタイヤに熱を入れていき残り時間2分を切るころから一斉にタイムアタック入った残り約30秒
KeePer TOM’S 37号車がトップタイムをたたき出す。
その後各マシンが猛然とタイムアタックをするが平川亮選手のタイムを上回るマシンは無く
KeePer TOM’S 37号車が2020年開幕戦で見事ポールポジションを獲得した。
平川亮選手にとっては自身5回目のポールポジション獲得となった。
予選終了から約4時間後、天候もすっかり回復し気温26度、路面温度は39度と予選よりさらに上昇した。
事前テストでも全くデータの無いコンディションの中、2020年スーパーGT開幕戦がスタートした。
スタートドライバーをニック・キャシディーが担当、冷えたタイヤでも抜群の速さを見せる実力は健在で、
素晴らしいスタートを切ったのだが、GT500マシンの後方でクラッシュが発生し、
オープニングラップ直後にセイフティーカー(以後SC)が導入された。
クラッシュマシンの回収が終了し、6周目にレースリスタート、スタート直後の1コーナーでは
2位のNSXに並ばれる場面もあったが、その後はぐんぐんペースを上げ、2位との差を広げていった。
31周目に2位との差を15秒引き離してピットイン、ドライバーをエース平川亮へ交代、
迅速なタイヤ交換と給油を終えトップの座を守ったまま66周のチェッカーに向けコースに復帰した。
貫禄の走りを見せニック・キャシディーが築いた2位との差をさらに広げレース中盤には
2位との差を24秒迄広げて独走態勢を築いていたが、37周目にGT300クラスのマシンがコース上にストップしてしまい、
再びSCが導入されてしまい折角気づいたギャップがなくなってしまう。
しかし、エースの平川亮は43周目のリスタートからも落ち着いた走りでトップを死守し、
2020年のスーパーGT開幕戦をポールtoウイン、レース中一度もトップの座を明け渡すことなく
KeePer TOM’S Supraが完全勝利を飾った。
チームとしてはLEXUS SC430、LEXUS RC F、LEXUS LC 500と新型マシンの
デビュー戦をすべて優勝してきたが、その記録を更新する結果となった。
その中の2014年のLEXUS RC F、2017年のLEXUS LC 500、2020年のTGR Supraと
3車種連続してKeePer 37号車がデビューウインを飾っている。
次戦は、8月9日(日)に、開幕戦と同じく無観客で、静岡県の富士スピードウェイにて開催されます。