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                          Rd.1 岡山国際サーキット レースレポート
                           
                           

                          2021 年、2022 年 と TOYOTA GAZOO Racing 勢のトップチームのひとつとして、

                          チャンピオン争いを繰り広げてきた TGR TEAM ENEOS ROOKIE。

                           

                          3 年目となる 2023 年も、チームが全幅の信頼を置く大嶋和也と山下健太のコンビ、

                          そして新たな装いとなったカラーリングをまとう ENEOS X PRIME GR Supra で、タイトル獲得へ向けて挑む。

                           

                           


                           

                           

                          そんなシーズン開幕に向け、オフの間メーカーテストの機会を使って開発を進める計画だったが、

                          1月下旬に鈴鹿サーキットで行われた今季最初のメーカーテストではまさかの事態が起きてしまった。

                           

                          130R で ENEOS X PRIME GR Supra をドライブしていた山下健太が、トラブルのため激しくクラッシュ。

                          山下は背中を痛めてしまい、さらに ENEOS X PRIME GR Supra も大きな修復が必要となった。

                           

                           

                          しかし、チームは団結して車両を修復。山下も絶対安静の辛い期間を乗り越え、3月に行われた富士公式テストで復帰し、

                          4月 15 日(土)に開幕した第1戦岡山へ向け、チーム全体が万全の状態で臨んだ。

                           

                           

                           

                          ただ、迎えた走行初日の岡山は、朝から雨模様。

                           

                          午前9時 10 分からの公式練習は開始前に一時雨脚が弱まったものの、コースオープン後から雨が強くなりはじめ、

                          ヘビーウェットのなかで走行が進められた。

                           


                          午後の予選、さらに決勝レースでも雨の予報があったことから、ENEOS X PRIME GR Supra は大嶋から走行を開始し、

                          ウエットでのセットアップやタイヤの確認を進めていく。

                          しかし、開始から 30 分が過ぎたころ、モスSで #39 GR Supra が雨のなか姿勢を乱し、激しくクラッシュしてしまう。

                           

                           

                          これでセッションは長い赤旗中断となってしまい、ENEOS X PRIME GR Supra もこの間に大嶋から山下に交代。

                           

                          ただその後もコース上の水量は多く、午前 10 時 34 分にはコンディション悪化のため、再度赤旗に。

                           

                          山下は5周しか走ることができなかったが、ENEOS X PRIME GR Supra は4番手で公式練習を終えた。

                           

                           

                           

                          午後2時からの公式予選 Q1 は、 GT300 クラスの予選 Q1 のA組が強い雨のため途中赤旗中断となったほか、

                          B組がディレイになるなど、雨の影響が強く出てしまう。

                           

                          また気温、路面温度が低く、すべてのセッションが5分間ずつ延長されていた。

                           

                           


                          ただ、ディレイを経て午後2時 53分から行われたGT500 クラスのQ1では、急速に雨脚が弱まり、

                          コース上の水量が変化するなかで迎えた。

                           

                          Q1のアタッカーを務めた山下は、コースイン後一度ピットに戻り、タイヤを交換し再度コースインした。

                          気温 13℃というコンディションのなか、山下が履いていたタイヤはウォームアップの性能に一抹の不安があったのだ。

                           

                          温まりが早いタイヤに換えた山下は、6周目に1分 30 秒 452 というタイムを記録。

                          さらに水量の変化に乗じ、9周目に1分 30 秒 409 へ。

                          6番手に食い込み、見事 Q1 突破を果たした。

                          迎えた午後3時 51 分からの Q2 は、大嶋がアタックを担当。

                          こちらも路面が乾いていくなか、9周目に1分 29秒 742 までタイムを縮め、4番手につけてみせた。

                          大嶋は「自分たちの力を出し切れた予選だったと思います」と決勝に向け、手ごたえを感じている様子だった。

                           

                           

                          荒天に見舞われた予選日から一夜明け、迎えた4月 16 日(日)の岡山国際サーキットは、朝から晴天に恵まれた。

                          多くのファンがサーキットを訪れるなか、いよいよ午後1時 30 分から 82 周の決勝レースがスタートした。

                          ただ天気予報では、レース中の雨も予想されていた。


                          ENEOS X PRIME GR Supra のスタートドライバーを務めたのは大嶋。

                          スタート直後から、ペースが上がらない #64 NSX-GT に迫ると、序盤から上位争いのバトルを展開していく。

                          ただ、事前の予報よりも早く、スタート後から雨が舞いはじめ、10 周を過ぎる頃から雨脚が強まりはじめた。

                           

                          そんななか 14 周目には、雹混じりの強烈な雨が注ぎはじめた。

                          大嶋はライバルたち同様、緊急ピットインしウエットタイヤに交換した。

                          ただ、ここではわずかにタイムロス。

                           

                          直後、GT300 車両のコースアウトからフルコースイエローが導入されると、すぐにセーフティカーランに切り替えられた。

                          このセーフティカー中にピットインを行ったチームも多く、23 周目にリスタートを迎えると、順位はわずかに下がっており6番手。

                          ただ直後#23 Z GT500、さらに 25 周目には #17 NSX-GT、33 周目には #100 NSX-GT をかわすなど大嶋のペースは好調。

                           

                          一気に表彰台圏内を見据え始めた。

                          ただ、リスタート後は日射しも注ぎ、急速に路面は乾いていく。

                          少しずつスリックタイヤのタイムも見えはじめると、大嶋は 41 周目にピットイン。

                           

                          山下に交代しスリックを履く。このタイミングは抜群で、ふたたび後半戦での表彰台圏内争いが期待された。


                          しかし 48 周目、GT300 車両のコースアウトから2回目のフルコースイエローが入ると、ふたたび雨が強く降りはじめた。

                           

                           

                          51 周目のリスタート後もアトウッドカーブでクラッシュが発生。

                          この頃、サーキット周辺に落雷もあり、雨脚も強まるなか、安全のためにレースは赤旗中断となった。

                           

                          ENEOS X PRIME GR Supra をはじめ、ほとんどの車両はこの時点でスリックタイヤを履いていた。

                          レースは 20 分後にセーフティカー先導のもとリスタートを迎えたが、ピットレーンオープンとなった 55 周目、

                          ほとんどの車両がピットインを行いウエットに交換。

                           

                          もちろん山下も同様にピットへ。

                          ここで素早い作業を行えば、表彰台圏内を確保することも可能だった。


                          しかし、大混乱のピットレーンで、 TGR TEAM ENEOS ROOKIE の タイヤ交換作業がわずかに遅れてしまった。

                           

                          コースに復帰してみると、レース中盤からポジションを争っていた#8NSX-GT に先行されてしまう。

                          失ってしまったポジションを取り戻したい山下だったが、その後一時セーフティカーラン終了のサインが出たものの、

                          GT300 車両のタイヤが外れてしまうなど、なかなか再開できず。

                           

                           

                          その間にさらに雨脚が強まり、レースはふたたび赤旗となってしまった。
                          レース最大延長時間だった午後4時 30 分が近づくなか、最終的に午後4時 24 分、

                          強い雨のなかでレースは終了してしまった。

                           

                          ENEOS X PRIME GR Supra の結果は4位。

                          上位ではあったが、開幕3年連続優勝の夢は叶わず、ピットで表彰台圏内を失う、悔しいレースとなってしまった。

                           

                           

                           

                           

                          ドライバー/監督コメント

                           

                           

                          DRIVER  大嶋 和也

                           

                          スタート直後、#64 NSX-GT を抜きにいったときに #19 GR Supra に迫られ、行き場をなくし順位を下げてしまったのは残念でした。

                          ただその後はクルマもタイヤもフィーリングが良く、追い上げることができました。

                          雨が降ってきて、ピットに入った時には作業にも時間がかかり順位を落としてしまいましたが、これはもったいなかったですね。

                          ただ逆に、スリックに交換して、山下選手に交代したタイミングはベストだったと思います。

                          結果的に最後のタイヤ交換で作業に時間がかかって順位を落としてしまいました。

                          シリーズを戦っていくためには、この点はみんなで改善が必要だと思います。

                          ペースとしては優勝も狙えただけに4位は満足できないですが、まだまだシリーズは始まったばかりなので、

                          次戦までに強いチームを作り、流れを変えたいですね。

                           

                           

                          DRIVER  山下 健太

                           

                          荒れた展開のなか、レース後半は中断やセーフティカーランが多く、自分の出番としてはあまり多くありませんでしたね。

                          交代直後、非常に難しい路面のなかで、順位を争っていた#8 NSX- GT が迫ってきましたが、

                          これを厳しい状況のなかで抑えることができたのは良かったです。

                          実質的な3番手を守ることができていたので、そのままの順位でフィニッシュしたかったところですが、

                          最後のタイヤ交換のなかで混乱があり、遅れてしまいました。

                          4位という結果は悔しいですが、これまで2年間は開幕戦で優勝して、

                          重いサクセスウエイトを積んだ状態でその後のシリーズを戦っていたので、今年の第2戦はこれまでの2年間とは違う、

                          軽い状態で臨めます。

                          チームの地元ですし、優勝したいですね。

                           

                           

                           

                          DIRECTOR  高木 虎之介

                           

                          今シーズンの開幕で、どんなレースになるかと思っていましたが、ひさびさにすごく荒れたレースになってしまいましたね。

                          そんな展開のなかで4位という開幕戦になりましたが、表彰台を狙うことができたレースだったので、最後のピットストップは残念でした。

                          もちろんレースの最後に、リスタートして順位を取り戻すことができれば良かったのですが、こればかりは仕方ないです。

                          タイヤ交換でミスもあったので、その点は改善していきたいと思っています。

                          まだ一年は始まったばかりで、開幕なので、今後のシーズンはミスが出ないようにしなければいけません。

                          次戦の富士も長い 450km レースで、今年は今までよりも戦略やピット作業が重要になってきます。

                          その点はしっかりと乗り越えていきたいですね。

                           

                          PHOTO BY Noriaki MITSUHASHI / N-RAK PHOTO AGENCY

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