2024 AUTOBACS SUPER GT Report
SUZUKA GT 3Hours RACE
第3戦 鈴鹿サーキット
KeePer CERUMO GR Supra
#38⽯浦宏明/⼤湯都史樹
◆6⽉2⽇(⽇) RACE
決勝結果 リタイア
6⽉1⽇(⼟)に⾏われた公式練習ではオーバーステアに苦しみながらも、
公式予選までのセットアップ改善で予選5番⼿と表彰台圏内をうかがう好位置につけたTGR TEAM KeePer CERUMO。
迎えた6⽉2⽇(⽇)の決勝⽇、鈴⿅サーキットには事前に⾬の天気予報が出ていたが、朝の鈴⿅は曇り空となっていた。
ただ、午後0時から⾏われたウォームアップを前に、鈴⿅には予報どおり⾬が降り出した。
路⾯は急速にウエットコンディションに転じていくが、難しいのはこれが東コースのみだったということ。
⻄コースの路⾯は乾いている難コンディションとなったが、そんなかKeePer CERUMO GR Supra はウエットタイヤをトライし、
決勝に向けた準備を進めた。
しかし、グリッドへの試⾛が⾏われる頃には⾬は⽌み、晴れ間もさす状況に。
午後1時30 分のパレードラップスタート時にコンディションはドライとなり、
気温24 度/路⾯温度31 度というコンディションのもと、午後1時38分に決勝レースがスタートした。
KeePer CERUMO GR Supra のスタートドライバーを務めたのは⼤湯都史樹。
まずは1周⽬、スタートポジションの5番⼿を守った⼤湯は、前⽇から⾃信をもっていた決勝ペースを活かし、序盤こそ4番⼿を⾛る#8 CIVIC TYPE-R GTのテールをうかがう⾛りをみせるが、タイヤから振動が発⽣しはじめてしまう。
タイヤの表⾯にゴムのカスがつく“ピックアップ”と呼ばれる現象が発⽣してしまったのだ。
少しずつペースが苦しくなった⼤湯の後⽅からは、#3 Z NISMO GT500 を先頭とした集団が接近。
12 周を過ぎる頃には、⼤湯を先頭にした5番⼿の集団が形成された。
⼤湯は持ち前の技術でしばらく粘りの戦いをみせ5番⼿を守っていたものの、22 周⽬、ガクンとペースが落ちてしまう。
⼤湯が「トラブルが発⽣したのか」と思うほどの⼤きなピックアップがついてしまったためだ。
⼤湯はまっすぐ⾛ることもできない状態になってしまい、チームは緊急ピットインを⾏った。
22 周を終え⼤湯はKeePer CERUMO GR Supra をピットロードに向け、チームはタイヤ交換を⾏う。
ライバルたちに⽐べるとかなり早めのストップだ。
その後、ライバルたちも1台、また1台とルーティンのピットインを⾏っていくが、
ライバルがコースに戻っていくたびに⼤湯とKeePer CERUMO GR Supraの順位は少しずつ上がっていった。
ピットインを早めに⾏ったことで、フレッシュなタイヤでコースの空いている場所を⾛りタイムを稼ぐ作戦がアンダーカットだが、
チームも予期せぬアンダーカットが成⽴していたのだ。
しかも、TGR TEAM KeePer CERUMO はピットで計算を⾏ったところ、⼤
湯がこの後のスティントを引っ張れば、あと1回のピットストップで⽯浦宏明
に交代し⾛りきれることが分かった。災い転じて福と成すべく、⼤湯は粘りの
⾛りを続けていった。
ただ、そんな⼤湯の⾛りに対し、KeePer CERUMO GR Supra からはまたもタイヤのピックアップによる振動が発⽣してしまう。
⼤湯は少しずつポジションを落とすも悪戦苦闘しながらなんとかダメージを最⼩限に留めていた。
しかし40 周⽬、#8 CIVIC TYPE-R GT、#23 Z NISMO GT500 をディフェンスしながら⽇⽴Astemo シケインにアプローチした⼤湯に、思わぬ衝撃が⾛った。
#8 CIVIC TYPE-R GT のアウトからアプローチした#23 Z NISMO GT500が姿勢を乱し、KeePer CERUMO GR Supra のリヤに激しくヒットしてしまったのだ。
リヤカウルを⼤きく破損したKeePer CERUMO GR Supra はピットに戻ることになるが、ダメージはフロアにまで及んでおり、サーキットでの修復は不可能と判断したTGR TEAM KeePer CERUMO は苦渋のリタイアを決断することになった。
なお#23 Z NISMO GT500にはその後接触に対するペナルティも課されている。
予期せぬリタイアとなってしまったKeePer CERUMO GR Supra の第3戦だが、タイヤのピックアップの原因は究明しなければならない。
第2スティントは第1スティントとは異なる種類のタイヤだっただけになおさらだ。TGR TEAM KeePer CERUMO は、今回失ったポイントを取り戻すべく、第4戦に向け準備を進める。
ドライバー/⽯浦宏明
「レース序盤、僕は無線を聴きながら戦況を追っていましたが、バイブレーションがあるということで緊急ピットインを⾏い、
結果的にこれが予期せぬアンダーカットになりました。
また計算上、緊急ピットインのタイミングでギリギリあと1回のピットインでフィニッシュまでいけるということで、
僕も準備をしていましたが、また⼤湯選⼿から先ほどと同じような状況になっていると報告があり、ペースがまた落ちてしまいました。
結果的には接触されてしまいリタイアとなりましたが、あれは⼤湯選⼿にもどうにもできないものでしたね。
予選までは⼒強い戦いができていましたが、なぜペースが落ちたのか検証しなければなり
ません。
今回起きてしまったところをしっかり次に活かさなければと思います」
ドライバー/⼤湯都史樹
「序盤、気温と路⾯温度から苦しい戦いになるかとも思いましたが、なんとかうまく順位を守ることができました。
その後はペースを上げられるつもりだったのですが、想像以上にピックアップに苦戦してしまいペースを上げられず、
かなり厳しいレースとなってしまいました。
途中『トラブルか』と思うくらいのピックアップがついたりもしたので、もう少しセットアップ含め、
やれるところがあったと思います。
結果的に予定よりも早いピットインを⾏ったのですが、それがアンダーカットのようなかたちになりましたよね。
その後ペースが良ければ表彰台までいけたと思うのですが、やはりピックアップに悩まされることになりました。
追突されてしまいましたが、どちらにしろ抜かれていたと思います。
とはいえ、⾛りきれなかったこと、ポイントが獲得できなかったことは悔しいです。
シリーズを考えると今回のレースを落としてしまったのは残念でしたね。
次戦はまた富⼠ですが、第2戦は決勝で⽐較的良い⾛りができていたので、前回の改善を洗い出し、
優勝するしかないつもりで臨みたいですね」
⽴川祐路監督
「スタートからピックアップの症状に悩まされ、ペースがいまひとつ上がりませんでした。
そんな中、⼤湯選⼿が頑張ってくれていたのですが、最後は追突されることになってしまいました。
こちらとしてはどうすることもできない接触だったので、⾮常に残念でしたね。
クルマのダメージも⼤きくリタイアとなってしまいました。
今回残念な結果に終わってしまった分、次戦はしっかりと戦い、
今回落としてしまったポイントを取り返し優勝できるよう頑張りたいと思います。応援ありがとうございました」